どうしてまた廻りあってしまうのか
もう会わないと決めてもう２年
あいつのことを今でも好きだとか
そんな気持ちはこれっぽっちもない
なのにあいつの顔を見ると
あの時の気落ちが隠せなくなる
俺達二人は恋人だった
親友の延長じゃない
男同士だって何も関係なかった
あの時までは
あいつは俺を裏切った
いつまでも二人一緒だと思ってたのに
許せなかった
どうしても
だからメルアドを変えた
あいつと関係するデータは全部削除した
連絡をとれないように
着信拒否に設定した
あいつは家の前で待っていた
けど俺は無視をした
そしたらあいつはもう追いかけてはこなかった
信じたくなかった
でも心の中でいつかはこうなると思ってた
俺たちは世間に認められる関係じゃない
新しい生活が始まる
彼女もできた
あいつに似ていない
やさしい彼女
でもどこか物足りなく
自分の中で何かが欠けてる気がする
あいつの顔を見たときに
すべての記憶が走馬灯のように蘇る
隣にいた彼女がどんな顔をしていたのか
わからないほど
俺は動揺していた
声を掛けることも
笑い掛けることも
俺にはできなかった
弱い自分がいやだ
逃げるように彼女の手を取り
俺はあいつから逃げた
不審げな彼女に気分が悪いと離れた
一人電車に揺られ家に帰る
涙がこぼれるかと思った
でもその逆で自分が何を考えているのかさえわからない
苦しいわけでも悲しいわけでもなく
本当は一年前に
着信拒否は解除していた
その時に一度だけ電話した
あいつは番号を変えていた
あいつが俺に連絡がとりたければ
いつでもとれるようにしてあった
忘れよう忘れよう
ここで終わり
もう思い出さないから
でももう二度とあの場所にはいけない
俺たちはもうあの頃に戻れない
戻ったところでぼくたちはどうせ
誰にも認められたりはしない
辛い思いをするぐらいなら
このまま消えてしまいたい
